豊国風土記・・・安心院の“鏝絵習俗”
“滝見”遊山と決め込んで、旧“安心院(あじむ)町”を巡っていたのですが・・・旧家、商家、農家の漆喰壁についつい眼を奪われることがあります・・・。

c0001578_18521523.jpgこの光景も・・・酒屋さんの看板に目を留めたのではなく・・・左隅の民家の2階・・・。

鏝絵(こてえ)”と呼ばれる左官の具象表現・・・建物の戸袋や切り妻屋根の下に画かれた・・・民衆の民衆による民衆のための“祈り”の“象形”・・・。

江戸末期から明治期にかけて、家を建てた“家長”の願いをこの地の左官が“代描”したとも思える民衆画と考えると・・・正に“地霊”の“フォークロア(=folklore)”・・・漆喰(しっくい)の白きキャンバスに何が画かれたか?・・・家内安全・無病息災・商売繁盛などなど・・・。

この商家だけでなく・・・安心院の町や田園風景の中に残る漆喰壁50以上で・・・時代も、場所も、絵柄も、個性に満ちた“祈り”の“象形”を見ることができます・・・。

“街角美術観”よりも奥深い“鏝絵民俗観”・・・是非、皆さんにもご覧いただきたいものです・・・。

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c0001578_1953814.jpg厄除けにとの祈りか・・・“竹に虎 ”の戸袋鏝絵・・・。

崩落した漆喰部分を修復中のようです・・・。


c0001578_196612.jpgこちらは同じく“松に鷹”・・・崩落している箇所はその下地の古びた板塀と小舞竹が見えています・・・。


c0001578_196265.jpgこの“鏝絵”の“地霊”を最初に見出したのも・・・あの“世間遺産”の写真家“藤田洋三”氏だったと・・・。

平成8年に選択無形民俗文化財“大分の鏝絵習俗”となり・・・こうして、その“習俗”文化の独自性を記録し保存する取り組みによって・・・町の“個性”を再発見できたのではないでしょうか・・・。

博物学的“民俗学”の中で歴史に保存するのではなく・・・新たな鏝絵の“祈り”を刻み続けることが・・・呼吸する“鏝絵習俗”であると思います・・・。

c0001578_1964487.jpgそして・・・その酒屋さんの側面にあった看板も“安心院”の“フォークロア”の“広告”・・・中央に“優等清酒 正直之誉”・・・両脇に名物“すっぽん酒”と・・・こちらは昔の“記憶”となってしまいしたか・・・。

今は・・・麦焼酎「むぎ 大将」の旧町内“縣屋酒造”、清酒は宇佐“三和酒類”の「和香牡丹」と九重“八鹿酒造”に甲類「三楽」が・・・ここの看板酒と言うことでしょう・・・。
by project-beppin | 2010-06-20 19:09 | 大分の風土・行楽 | Comments(2)
Commented by tatinomi1 at 2010-06-22 07:59
地霊の習俗「鏝絵」、なにか豊後の磨崖仏に通じる素朴な民衆の雄たけびが聞こえてきそうです。それにもました、この地方の酒文化の深みは尋常ではありません。こういういい風土から生まれた、「郷土の誇り」の三和酒類、おごらず、いばらず、素晴らしき酒文化を全国に発信。日田蒸留所のたたずまいにも、感動。超大手ながら「地霊」の風合いを残したいい蔵ですねえ。でも、霧島に抜かれたようですね。
Commented by 酎州大分 at 2010-06-23 02:00 x
HAKUDOU師匠・・・安心院の“鏝絵”は、全国的には無名の職工であっても、“地霊”が宿った左官の“技”と風土への“祈り”が民衆へ向って花開いた“建築絵画”であったと・・・どこか“大津絵”の民衆風俗にも通じる“大らかさ”を感じます・・・。
宇佐に花開いた現代の酒文化の“風土”も・・・これから“(清)酒(焼)酎混淆”の“郷土”に脈々と根付いていくでしょう・・・。まだ、始まったばかりではありますが・・・幾年月を重ねようとも“地に足のついた”超大手であって欲しいし・・・それに比べれば地場の小さな酒造蔵も“酒の多様性”を失わずに“共生”するからこそ・・・我々オヤジも“地霊”を味わえる“風土”の旨い酒文化を愉しめるというもの・・・。

確かに“芋”ブームで霧島さんは・・・売上げ前年比二ケタの伸びを今でも唯一と言っても過言ではないほどのようですね・・・。その意味で伸び率は、抜かれているでしょうが・・・年間売上高では、まだ乙類の一番は三和さんのようですよ・・・。↓帝国DBのレポートによると・・・の話ですが・・・
http://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p090906.pdf

焼酎“今酌物語”は・・・尽きませんね・・・。
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