“冷や飯”に宿る“温もり”・・・「おかんの気持ち 鶏つくね弁当」
HAKUDOU師匠のブログ“立ち呑み漂流”のエントリー「師、山際千津枝先生。九州限定弁当。ついに世に出る。その見識のほとばしりは、見事!」を・・・今朝、拝見しました・・・。師匠のコメントもいただき・・・我が家では・・・女房殿も注目“私もちょっと食べたいから、買ってみたら・・・”と・・・。

“冷や飯”に宿る“温もり”・・・「おかんの気持ち 鶏つくね弁当」_c0001578_20302392.jpgオヤジは・・・昼を過ぎて近くのコンビニに・・・残り少なくなっていましたが、ありました・・・九州限定『おかんの気持ち 鶏つくね弁当』。
店頭での見た目は・・・“ちょこっと弁当”のようですが・・・先入観なく手に取れば、思ったよりも“重量感”があります・・・。

持ち帰って、昼食に食べながら・・・私には・・・昭和の“おふくろ弁当の原点”に戻った味わいに思えました・・・。

つまり・・・“アルマイトの弁当箱”に込められた・・・“冷や飯”に宿る“温もり”だと・・・改めて、そんな想いを呼び起こしてくれた弁当です・・・。

HAKUDOU師匠の言うこの弁当の“哲学”とは何か?・・・それは“見た目”と、手に取った“重量感”では分かりませんよ・・・。

■おかんの気持ち 鶏つくね弁当:ローソン各店/九州内




“冷や飯”に宿る“温もり”・・・「おかんの気持ち 鶏つくね弁当」_c0001578_20303992.jpg“ほうじ茶”だけ注いで・・・“職場の昼食”を模擬体験・・・。
“おかず”は・・・鶏つくね、蓮根煮、出汁巻玉子、梅干・・・。

私が・・・昭和の“おふくろ弁当の原点”というのは・・・少なめの“おかず”に込めた“彩”と・・・この“おかん”様式ともいうべき“美”に近い構成が・・・遠い記憶の中にあった“あの頃”にインナー・トリップしたかのような錯覚に陥ったからなんです・・・。

ご飯の上には・・・海苔が2枚とオカカ・・・。
一口めに・・・醤油の効いたオカカの味付けで・・・唾液腺を刺激するんですなぁ・・・これが・・・。

“冷や飯”に宿る“温もり”・・・「おかんの気持ち 鶏つくね弁当」_c0001578_2031017.jpg小判型の“鶏つくね”・・・ほんのりと甘口醤油仕立ての餡が優しい味のまとめ役・・・鶏のミンチに滲み込んだ生姜汁の丁寧な味付けの旨さが・・・冷めても濃すぎず鶏肉の旨味本来の味わいを引き出している感じ・・・。

“酢蓮根”ではなく・・・“蓮根煮”・・・薄口醤油とだし汁が馴染んだ絶妙の優しい味付け・・・蓮根本来の食感に・・・「“根菜”も美味しいわよ」と言われているようです・・・。

“梅干”は・・・自家製に近い柔らかさ・・・塩分を控えた酸っぱさの梅肉がタップリ・・・タネをしゃぶっては・・・ご飯をかき込んでいた“あの頃”の味が活きています・・・。

そして、なんといっても・・・“出汁巻玉子”・・・刻み葱の香りがちゃんとあります・・・。
この淡く旨口に仕立てる出汁と玉子の焼き加減・・・固すぎず、緩すぎず・・・確かに、料理上手の“おかん”の渾身の愛情・・・「オマエ好物だから、厚めに切っといたよ・・・」と言ってるような・・・この厚さが絶妙な一切れの大きさ・・・。

“冷や飯”に宿る“温もり”・・・「おかんの気持ち 鶏つくね弁当」_c0001578_2031168.jpgご飯と“炒り玉子”、“鮭フレーク”、“葉大根炒め”・・・この重層に託した“冷や飯の奥行き”こそ真骨頂・・・。

“冷や飯”への拘り・・・ベタツキのない炊き上げ具合の“水加減”・・・銘柄米でなくとも米は“噛んで甘く旨い”と思わせてくれるご飯とは・・・かくあるべき・・・。

「ホラッ、残さずシッカリ食べなさい」・・・と、言われているような想いに浸ってしまうのは・・・この底にある“葉大根炒め”・・・最後にお茶と一緒にかき込むという・・・あの旨さを知っている輩には・・・感涙モノです・・・。

これは・・・女房の弁当にあらず・・・正に“おかん”の弁当・・・。“見返り”を期待しない“母”にしか出来ぬ・・・“無償の愛”が隠れている味わい・・・。

最後に一言・・・この弁当・・・毎日食うな!・・・週に一度、味わってこそ・・・その“ありがたさ”と・・・。
by project-beppin | 2006-03-26 20:37 | 美食の街
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