「やよ福」礼讃(その壱)・・・味わいの“原風景”

立ち飲み「善吉」から、メインストリート“相生通り”に出て“立町”から“路面電車”に乗り・・・広島駅前に近い“猿猴(えんこう)橋町”で降車・・・“純喫茶 パール”脇の路地を入った処に・・・“大衆酒場”「やよ福」の電光看板が見えました・・・。此処が・・・今回の広島“逍遥”の“メインテーマ＝本題”であり・・・“Ｍｉｓｓｉｏｎ2”の“目的地”であります・・・。

チューバさんに連れられて潜る“白暖簾”・・・入るなり、「お連れしましたぁ～」とのチューバさんの声に・・・常連先客の皆さんが一斉にこちらを向いて・・・ママさんが「ようこそ、いらっしゃいませぇ」と迎えてくれました・・・。

すでに、ホロ酔い気分で出来上がりかけているこんオヤジ(私)は・・・「こんばんわぁ～、はじめましてぇ・・・」と・・・ちょっとした緊張感で挨拶・・・。

間口より奥行きのある店内・・・奥に長い“L字カウンター”席・・・十数名の常連先客の皆さんが一列に並び、ほぼ“満席”状態・・・。ママさんの仕切りで二人分の席を譲ってもらって・・・着席・・・。

席上の天井には、蛍光灯が連なり・・・カウンターの酒肴と調理場を切盛りするエプロン姿のママさんを照して明るく“賑わう”光景・・・。

初めて入った店なのですが、何故か懐かしく“包容感”に満たされる感覚・・・嗚呼、これが在りし日の居酒屋の“原風景”だと・・・感慨深く思った次第・・・。

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昔ながらの電光看板と暖簾越しの店内灯り・・・“大衆酒場”「やよ福」・・・この“定型”となる昭和の居酒屋の面影に・・・惹きつけられるオヤジであります・・・。

さぁ、“暖簾”の向こう側に・・・“至福”が待っています・・・(笑)。

店内は、常連先客の皆さんの並ぶ長いカウンター席と・・・先代お母さんの時代から“幾星霜”・・・長きに亘る年月が燻した空間と紫煙に煙る蛍光灯・・・正に酒場的“美学”の“包容感”・・・。


着席して、まずは普遍の“看板酒”・・・呉の清酒「やよ福」の“ひや”を一杯・・・。

ママさんの手馴れた“コップ酒”のあしらいは・・・まるで、この酒への“愛情”を注いでいただいたような“至福”の一杯・・・ご案内いただいたチューバさんと・・・敬意を籠めていただきます・・・。



これが“吟醸酒”では絶対味わえない“至福”のコップ酒・・・。

まったりとした中甘口でありながら、優しい口あたり、すっきりとした筋が徹ったコクに、たゆたゆと漂う澄んだキレ・・・啜りながら呷るのが真情の普通酒ならではの旨さ・・・。

冬の“おでん”には“熱燗”で・・・と思わせてくれる“味”の向こう側が映る酒・・・“昭和”の風情が醸されている“銘酒”です・・・。

入口側のL字に曲がったカウンター席側には・・・HAKUDOU師匠にお馴染みの常連メンバーが勢揃いだと・・・チューバさんから、ご紹介いただきました・・・。

お隣“純喫茶パール”のマスターやHN“ゾウアザラシ”さんとそのお友達をはじめ・・・皆さんがこの「やよ福」の“紳士淑女”・・・。

“広島カープ”ファンが集ってこその“酒場”ということが見て取れる入口戸の上に“テレビ棚”は・・・“鯉のぼり”の“神棚”のようでもあり・・・夏の“プロ野球中継”を見ながら飲む酒に・・・ここ“広島”の“喜怒哀楽”があるのではないでしょうか・・・。

この“酒場”を創業以来ずっと守り立ててきた“盟主”たる“銘酒”「やよ福」も棚上に鎮座・・・。

忙しくテキパキと働くママさんを見守るが如き“酒護神”たる一升瓶の風格は・・・“ママ照らす御神酒神”・・・美しき清酒「やよ福」・・・。

左隣は、至宝の自家製“梅干”や“ラッキョ漬”・・・右隣は、なんと！我が“豊後”の“銘酎”「二階堂」・・・素直に嬉しくなんとも美しい光景・・・。

これぞ“酒場”の“一点透視図法”のカウンター・・・この“美学”は、空間の奥行き非ず、“風情”の奥行き・・・。