恋しや“籾の香”・・・幻の「壽」
豊後歳時記・・・田んぼにも水が引かれ・・・そろそろ、“代かき”がはじまります。
9時を過ぎて帰宅・・・夕食のおかずが“作り置き”になっちゃってますが・・・ありがたくいただきましょう・・・(合掌)。

恋しや“籾の香”・・・幻の「壽」_c0001578_0172373.jpg今日は、どうしても飲みたかったんです・・・『壽』。

ある酒屋さんで、店頭に残っていた4合瓶を発見!

国東(くにさき)町でほんの2年ほど前まで・・・清酒『豊の誉』を醸していた中島酒造場の謹製・・・今となっては“幻の正調粕取焼酎”です。
・・・飲みたくて、飲みたくて・・・“生”でこそ粕取を堪能できるというもの・・・。

開封して、瓶口に鼻をあてます・・・あぁ、思い出した・・・稲籾の乾きかけた時の“籾の香”のように・・・深く漂います。

グラスに口づけするかのように、口に含んで・・・しばらく、舌の上で転がすと・・・うひょぁ~!こりゃ~ぁ!ぶわぁ~ん!・・・粕取焼酎好きには・・・旨すぎます・・・。

口の中で・・・先攻する味わいは、カドがとれた“辛甘さ”・・・後攻に、パンチの効いた“苦辛さ”・・・喉越しと鼻腔とが同時に反応する深~く乾いた芳香・・・。
それから・・・喉越しのこなれたアルコールの余韻・・・心地好い残響・・・。

一言でいえば・・・“熟れた味わい”。
この香りが・・・子供の頃の追憶・・・脱穀した藁干しで、勝手に“基地”を作り、いつの間にかその藁の上で眠り込んでしまった頃の・・・恋しくなるような原体験を呼び覚まします・・・。

アテは・・・ニラ豚炒め、練り天、冷奴、アボガド・・・どれも美味。
特に・・・アボガドの刺身・・・この焼酎に・・・合います。

■「壽」(中島酒造場:東国東郡/常圧:酒粕)25度・・・正調粕取焼酎
深く漂う“籾の香”。芳美な香りに、長期貯蔵されたカドのとれた辛甘さと苦辛さを持ち、その“熟れた味わい”は喉越しと余韻ともに秀逸な一本・・・。追憶へいざなう幻の絶版焼酎。
by project-beppin | 2005-05-18 02:29 | 豊後の粕取焼酎
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