中津散策(その3):中津宇佐平野の象徴・・・八面山
国道10号線やJR日豊線を別府方面から北上すると・・・広大な平野に浮かぶように・・・ペジオニーテ(溶岩台地)の「八面山」・・・別名:箭山(ややま)を見ることができます・・・。

中津散策(その3):中津宇佐平野の象徴・・・八面山_c0001578_05495.jpg北部九州の“山岳信仰=修験道霊山”の中心は・・・山国川を遡った福岡県側の山岳地帯“英彦山”や“求菩提山”とされていますが・・・この“八面山”も・・・平安末期から江戸時代までは、もうひとつの“修験道霊山”でありました・・・。
また、“国東六郷満山”の修験霊場とを結ぶ・・・地理的にも“修験道霊山”中継地であったとされています・・・。

そんな“霊山の残像”を求めて・・・車で上ってみました・・・。





中津散策(その3):中津宇佐平野の象徴・・・八面山_c0001578_061582.jpg海抜300m付近の中腹・・・自然植生の“イチイガシ(一位樫)=ブナ科コナラ属”の丘陵地常緑広葉樹林が広がっています。


中津散策(その3):中津宇佐平野の象徴・・・八面山_c0001578_063044.jpg冬に見上げても・・・濃緑の葉をつけた樹林は・・・少なからず霊験の地の趣を感ずることができます・・・。
“一位”という“縁起”を担いで・・・この材を使った“箸”もありますよね・・・。


中津散策(その3):中津宇佐平野の象徴・・・八面山_c0001578_064836.jpg“八面山の名水”・・・全国に先駆けて・・・地域の水道組合事業となった“下田口簡易水道”の発祥を記念する碑の元には・・・この山の九合目にある“一の滝”岩穴の湧水を引いた銘水を汲むことができます・・・。


中津散策(その3):中津宇佐平野の象徴・・・八面山_c0001578_07758.jpg江戸時代はこの地の庄屋が禊をして汲み取ったこの水を氷として保存し・・・中津藩主奥平候に、献上したと伝えられています・・・。

確かに・・・清らかで凛とした“清聖水”・・・。


中津散策(その3):中津宇佐平野の象徴・・・八面山_c0001578_072467.jpg“箭山権現石舞台(ややまごんげんいしぶたい)”・・・畳152枚敷(約250㎡)を誇る巨石・・・石舞台としては日本一の大きさ・・・・・・。


中津散策(その3):中津宇佐平野の象徴・・・八面山_c0001578_074050.jpg古代巨石信仰の磐座(いわくら)であり・・・昔、この石舞台で“御子神楽”や“千歳楽(国盛楽)”を奉納し・・・五穀豊穣・家内安全・病魔厄除などを祈ったとされています・・・。


中津散策(その3):中津宇佐平野の象徴・・・八面山_c0001578_08241.jpg八面山の石舞台から見下ろす・・“中津宇佐平野”・・・。
ここからの風景・・・広大な平野の向こうに海(周防灘)が広がり・・・霞んで見えるのは対岸となる山口県・・・。

中津散策(その3):中津宇佐平野の象徴・・・八面山_c0001578_081961.jpg

八面山の麓(ふもと)には・・・宇佐八幡の発祥となる“元宮”・・・『薦神社(こもじんじゃ)』(別名:大貞八幡神社)があります・・・。
この大地の光景を見た古代の人々や修験者は・・・何を想ったのでしょうか・・・。
by project-beppin | 2006-02-19 00:10 | 大分の風土・行楽
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