“お蚕”の文化史・・・宇佐の産業展“養蚕の昔と今”
先週の日曜日(2月25日)、一路R10号線を宇佐市へ・・・かねがね女房殿が興味を持っていた大分の“繭糸=絹”の民俗史・・・“宇佐市立図書館”で開催されていた「宇佐の産業展“養蚕の昔と今”」を見てきました・・・。

“お蚕”の文化史・・・宇佐の産業展“養蚕の昔と今”_c0001578_0492297.jpg県下最大の養蚕地帯であった宇佐・両院地域・・・図書館の2階“渡綱記念ギャラリー”内に・・・その養蚕の歴史と記録と用具などが“博物学”的に展示されていて・・・この日がこの企画展最終日・・・。

“桑”の葉を採り、“お蚕さま”がつくる“繭”から“生糸”をとる・・・叡智の中で脈々と受け継がれてきた・・・人と地域の自然が共生する“バイオ・インダストリー”・・・。

この地域の“暮らしの営み”からは、失われてしまいましたが・・・つい30年前までは“生業(なりわい)”であったということ・・・忘れてはならない“地霊文化の系譜”なのかもしれません・・・・。





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“お蚕”の文化史・・・宇佐の産業展“養蚕の昔と今”_c0001578_0503212.jpgこれが“桑”の葉・・・。

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“お蚕”の文化史・・・宇佐の産業展“養蚕の昔と今”_c0001578_0505937.jpg“バラダ”・・・この上に紙を敷き“お蚕”に“桑の葉”を与えながら育てる平らな籠・・・。

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“お蚕”の文化史・・・宇佐の産業展“養蚕の昔と今”_c0001578_0535721.jpg“蚕棚”で飼うのではなく・・・桑の木にそのまま繭をつける“天蚕(てんさん)”の生糸で織ったショール・・・少し緑がかっています・・・。


“お蚕”の文化史・・・宇佐の産業展“養蚕の昔と今”_c0001578_0541038.jpg“蚕祖神”・・・大正時代、“四日市農学校(現 宇佐産業科学高校)”の運動会に現れたという“繭”と“生糸”と“絹布”で作られた女神像・・・。神格化された偶像に“地霊”を感じます・・・。


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今でも、地元の“豊川小学校”では“天蚕”を飼育・観察しているとのこと・・・


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明治の頃の浮世絵・・・“養蚕四度の起臥(きが)に休業酒宴の図”・・・。
この当時も・・・日々の養蚕中心の生活にあって、“酒宴”が一時の息抜きとして慣習化していたことがわかります・・・。

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“お蚕”の文化史・・・宇佐の産業展“養蚕の昔と今”_c0001578_0551697.jpg“渡綱記念ギャラリー”・・・図書館の中で企画展を催すスペース・・・“人が文化を創る”・・・“文化が人を創る”・・・そんな場であってほしいと思います・・・。


“お蚕”の文化史・・・宇佐の産業展“養蚕の昔と今”_c0001578_0553777.jpg農業振興に尽力したという宇佐市最初の名誉市民“渡辺綱雄”氏・・・その信念を語る“名訓”・・・“地域に捧げる無償の奉仕”という人徳の人であることが偲ばれます・・・。


“お蚕”の文化史・・・宇佐の産業展“養蚕の昔と今”_c0001578_0555249.jpg“宇佐市立図書館”・・・コンセプトとサービスが優れた図書館ですね・・・。
by project-beppin | 2007-03-03 23:58 | 大分の風土・行楽
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